ノープランNZ旅行記 22日目 其の弍

何事においてもすぐに行動に移せるのは、自分でもすごい長所だと思う。

それまでの人生の中で、ヒッチハイクなんてしたことなかった。

そもそも、今回のような”無計画”の旅なんてしたことなかったから、「ヒッチハイクをしよう」という発想をする機会がなかった。

だから、どこで車を待てば良いか分からなかった。

とりあえず、車のスピードが落ちそうな休憩所の近くに立つことにした。

「親指を立てて見せればいいんだよな、映画とかでもそうしてるし」と思ってそうした。

車にも乗りやすいし、と思っていたけど、中途半端…と思い直して、少しだけ場所を移動した。

当たり前だけどすぐに車は止まってくれず。

こちらに気づいてくれても、手をあげて「ごめんね〜」的に通り過ぎる。

簡単にはいかないと分かっていても、すぐに心が折れそうになった。

でも、「今はこれをやるしかない。もう歩きたくないし。」と思い、車が来るたびに手をあげ続けた。

その後、運よく10か20分分足らずで、一台の車が止まってくれた。

「おぉーー!!!」

と心の中で思い、荷物を持って車に駆け寄った。

運転席には若い青年が乗っていて、「Mt Cookの近くのキャンプサイトまで行くから乗せてあげる」と言ってくれた。

こんな短時間で止まってもらえるなんて、ビギナーズラックだなぁ、と思った。

Mt Cookへ向かう車中で彼と話をした。

彼はイスラエル出身だった。

彼自身も旅をする人でヒッチハイクをするから、ヒッチハイカーを見た時には止まる、ということを言っていた。

彼はITエンジニアで、年末年始休みを使ってNZを旅していた。

そして、確か旅をするのが好きだとも言っていた。

日本製の車に乗っていて、ダッシュボードに表記されていたラジオの周波数組がよく知るものだった。

ラジオっ子の僕はそれをみて一人ニヤリとした(笑)

彼はテカポ湖から来たらしい。そして、Mt Cookへ行った後はWanakaに行くと言っていた。

歩いていたら9時間かかったところを、車で30分足らずで着いた。あっという間だった。

本当にありがたい。そして、文明の力のすごさ。。。改めて思い知った。

キャンプサイトへの分かれ道で降ろしてもらい、彼とはそこで別れた。

イスラエル出身の青年に乗せてもらった

念願のMt Cookを目の前にして、感無量だった。

Mt Cookは行きたいと思っていた場所の一つでもあったから。

テカポ湖から長時間歩き、足を痛め、歩きたくなくなってヒッチハイクをし、、、どうにか辿り着いたMt Cook。

聳え立つ雪山はとても素晴らしかった。

Mt Cookが目の前に。。。感無量

一通り感動に浸ってから、さてどうしようか、と思った。

Mt Cookに着いたけれど、そこでどうするか全く考えていなかった。

「とりあえず休みたい」と思い、まずはカフェに行って水分と糖分を摂った。

歩いている最中、だんだん手持ちの水がなくっていくことに恐怖を感じていたので、すごい勢いで水を飲んだ。

歩き始める前は、「湖の脇を歩いていくコースのようだから、水がなくなったら調達できる」と思っていた。

でも、実際に歩いてみると、道から湖までの距離は長く、しかも草木が多くてとても水を汲みにいける感じではなかった。

だから、途中から水を大切に少しづつ飲んでいた。

そのせいもあり、暑かったことも影響してだと思うけど、軽く脱水症状になっていた気がした。

その後、ビジターセンターへ行き「ここから出発しているバスはないか」を聞いてみた。

でも残念ながら、自家用車以外の交通手段は無いとのこと。。。

ツアーがあるみたいだったから調べてみたけど、このタイミングで予約はできなそうだった。

スタッフさんが何度も「無い」っていうから、ちょっとイラッとして「はいはい」みたくあしらってしまった(苦笑)

にしても、帰りも歩き…というのは現実的で無いから「またヒッチハイクかなー」と、この時点では思っていた。

どうしようかなと思ったけど、帰りのことは次の日に考えることにして、とりあえずこの日はキャンプ場に泊まることにした。

とにかく休む。この二日間、相当な距離を歩いたので疲労がやばかった。

Mt Cookは来たかった場所の一つだし、せっかく来たから歩きたいと思ったけど、この日はそれを諦めた。

正直この時の足の状況で歩けるか微妙だと思ったから。

そして、Mt Cookの次は一旦Queenstownに戻ろうか…とこの時は考えていた。

そこでしばらくのんびり過ごしてから、タウランガで生活するように過ごすのもありかなーと。

そう思い始めていた。

キャンプサイトまでは歩いて向かった。ビジターセンターから30分程度だったかな。

サイトについて歩き回っていると、人が集まっているところがあったので行ってみた。

そこには看板があり、テントを張るには事前に予約してお金を払う必要がある旨の説明が書いてあった。

何も準備していなかったからもちろん予約も支払いもしていなかった。

ネット上での支払いはその場でできず(電波普通だったか忘れた)。

でもこのキャンプサイトに泊まるしか選択肢はなかったから、DonationBOXに有り金を突っ込んでテントを張らせてもらうことにした。

本当なら、”お金払いました”的にタグをもらいテントにつけるみたいだったけど、

「見回りには来ないだろう。ごめんなさい、別のところで払います。」と心の中で謝った。

その後、テントを貼る場所を探し始めた。

これまでの経験もあり、混み合っていないところがいいなと思いながら探した。

休憩所の比較的近くに、目の前に雪山が聳え立っている良い場所があったので、そこにテントを張ることにした。

テントを張っている時に、通りかかった女性が「素敵なテントね!どこの?」と聞いてきたので説明した。

「中を見たいから(と言った気がしている)後でまた来る」的なことを言って去っていった。

(でも来なかった笑、そういうのが普通なんだろう、と思うようになっていた)

この日は風が強かったから苦戦したけれど、無事にテントを張り終えた。

そのあとは、テントの前で山を見ながらただ休んでいた。

  もとい、明日はまず朝起きて足の様子を見る。

  歩けそうなら明日トレッキングして、明日も泊まる。

  明日もしんどそうなら、明日も休んで泊まり、明後日の朝様子を見る、で毎日泊まるのを決めよう。

  せっかく頑張ってきたのに、すぐに帰る必要もないしもったいない。

  もったいない、というものの、休みたいならここで休めばいいじゃん、てこと。

  食べ物はいざとなればカフェ行きゃいーじゃん、てこと。

  (日記より)

23日目につづく(帰国まであと53日)

Hiroki a.k.a HIRO
  • Hiroki a.k.a HIRO
  • 40代 / 躁鬱人
    サラリーマン歴15年
    2年前に会社を辞め、京都へ移住。
    NZの旅の途中で語学留学を思い立ち、2023年から語学留学を開始。
    2024年から木彫(Wood Carving)をはじめて、その面白さに気づく。
    現在、京都とネルソンの二拠点生活を目指している。

    興味:Carving(木彫) / 日本の文化(Japanese Culture) / 日本語(Japanese Language) / 京都(Kyoto) / 左京区(Sakyo ku) / 江戸時代(Edo Period) / 旅行(Travel) / 歩くこと(Hiking) / 農のある暮らし/ 環境問題 / 書くこと(Writing) / 音楽(Music) / 漫画(Manga) / アート(Art) / クラフトビール(Craft Beer) / Buddhism / Shintoism

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