ノープランNZ旅行記 8日目 其の肆
そこからしばらくは朝のようにまーったく人と会わなくて、
自然を独り占めにしているみたいで快適だったなぁ。楽しかった。
バスの時間もあったから一応急ぎながらも、止まって景色を眺めたい、写真撮りたい時は、そうした。
予想より早くバス乗り場に着いた時に「あそこでもっと景色を堪能しておけばよかった」と思わないように。
だから「時間通りに着くことを目指しつつ、道中も楽しむ!」を掲げて歩くことにした。
とは言え「間に合わなくてもいっか。その時はその時で。」と一方では思いながら。
前日歩いたFalls hutに着く前のコースのような、林の中を進んだ。木がすごい。
苔がついていて太い木がたくさん。
道中は危険な道もあった。木もたくさん倒れていた。
なんかすごいなって思った、自然。
途中、今ではなく先のことを考えてしまう時が結構あった。
「今日の夜はごほうびにビールを飲もう」
「The Devideに着いたら看板と写真撮ろう、その時人に頼むならどう英語で話すべきか」
とか。
歩くことに集中していないと、不思議とつまずいたり、足をひねってしまったりした。
その時やっていることに集中するってやっぱり大事だと思った。
だから今以外のことに意識が向いて気が散ってきたと気づいたら「集中!」と自分に何度も言い聞かせた。
これ大事だなって思う。これからの生活の中でも。
看板があるまで休まないで行こう、と思っていたら全然看板ない。
むしろ、進んでいる道が合っているかどうか不安にもなった。
でも、
「きっと大丈夫!看板に従って進んできているはずだし!」「道はあるからどこかには着くと思うし」
と自分に言い聞かせながら歩いた。
誰とも会わなかったのが少しずつ会うようになって、自分が向かっている方向が正しいと思い始めた。
その途中、とてつもなく大きな滝を見た。これまでの人生で一番大きい。
滝に着く前からその存在には気づいていたけれど、そこに辿り着けるとは思っていなかった。
なんというか、「圧巻」という言葉の一言に尽きた。
日本で華厳滝や那智の滝、屋久島でも滝を見てすごいと思ったけれど、
この滝はそれらとは違ったなんとも言えない迫力があった。
今思えば、滝に遭遇することを予期していなかったことも大きい気がする。
あとはとても間近で見ることができたからかもしれない。
滝を後にしてしばらく歩くと、やっと看板らしきものがある開けたところに出た。時間は14:30くらい。
「お、ここがゴールか!」と思いきや違った(笑)看板には「1hr」の文字。
「マジかー」と思った。正直なところ、15時前には着くと思ってた。
とは言え、「あと1時間なら着けそう!いける!」と思い、
少し休憩して、写真もしっかり撮って、ゴールに向けて出発した。
時間的に余裕がなかったので、ここからは「タイムトライアルや!」という感じで進んだ。
とりあえずやれることはやる。
それまでより早いスピードで歩き、でも安全には気をつけて進んだ。
歩くことにできるだけ集中して。とは言えさっき書いたような気が散ることはあったけど。
「写真はどうしても撮りたい時だけ!」
と決めて、2回だけ撮ったかな。
最後の方は下りが多くハードな道じゃなかったから、どんどんスピードを上げた。
でも、気づいたら15時過ぎてる!!間に合うか!と思いながらも。
今やれることをやる、最善を尽くす、焦らない、間に合わなかったらその時考える、とも考えていた。
そしたら、道路が見えた!もう駐車場は近いはず!
でも走らず、めっちゃ早足で歩いた。
途中細い道を歩いた時に譲ってくれた人達、本当にありがとう。
で、ついに駐車場に到着!15:16!
のんびり写真とか撮ってられないから、とりあえずThe Devideの看板を入れて達成的な自撮り。
ウロウロしていたら、それっぽいバスが来た!
走った!ここで初めて走った!
間に合ったー!
正直なところ、10分くらい待ってくれるだろう、と思っていたけど、そんな感じじゃなかったかも。すぐに出発したから。分からんけどね。
そして無事にバスに乗れ、クィーンズタウンへ向かうバスの中で日記を書いた。
「行きたいとこから行く!ルートバーン行く!」と決めて向かって、
山小屋を予約するときに持っているVISAカードが使えなくて焦って、
マスターカードのデビットカード持ってることに気づいて、
山小屋予約してシャトルバス予約して、
途中飛行機乗り遅れて、宿も行き当たりで、
山小屋二泊できそうなのを今回は一泊で行こうと決めて、達成できると信じて、
こうして今一つの目的を達成できた。
めっちゃ嬉しいし、この旅に来て良かったと思えてる。
これまでの海外旅行の中で、最悪で最高の旅になっている。間違いない。
まずは少しだけゆっくりしよう。
来る時点で一番やりたかったことはやり遂げたのだから、自力で。
(当日の日記より)
ということで、しばらくはクィーンズタウンで休むことにした。
9日目につづく(帰国まであと70日くらい)