ノープランNZ旅行記 27日目 其の参

そして、この日もやって来たAtlas。

今日はここで晩御飯を食べて〆ようと決めていた。

早速ビールとフードを注文して、前日にもらったシールを見せた。

シールはフードの割引かと思いきや、ビールの割引だった!

しかも何度も使えるっぽい!なんてことだ!

フードは、ヴィーガンバーガーとココナッツトーフなるものを注文した。

金髪坊主店員さん、よく来るやつと認識してくれているのか分からなかったけど、フレンドリーな感じだった。

この日は、いつもいたドレッドメガネの人はお休みのようで、見かけなかった。

その人も、毎回フレンドリーだった。

ヴィーガンバーガーとココナッツトーフ トーフ(豆腐)はNZで割とよく見かけた

ビールを飲んでいると、隣に座ったご夫妻が話しかけてきた。

「それ全部食べるのか?お腹空いてるのか?」みたいなことを言っていたはず。

「この日2度目の食事だよ」的なことを伝えたかったけど、あんまり伝わらなかったかも。

とりあえず、お腹空いてることにしとこうと思った。

その後も色々と話しかけてくれた。

僕のつたない英語を聞こうとしてくれたことは、なんか嬉しかったな。

彼らはオーストラリアの北部、クィーンズシティだったか、そういう名前のところに住んでいるらしかった。

息子さんは日本に行ったことがあるらしく、来月は白馬にスキーに行くようだった。

日本の技術を誉めてくれていて、「YAMAHAは最高だよ」みたいなことを言っていた。

だから、農家さんなのかなって思った。

確かYAMAHAはトラクターを造っていた気がしたから。

ただ、二人は日本へ行ったことはないとのことだった。

「仕事は何してるのか?」とか、色々と質問された。

製薬会社で働いていたと言ったら、お金たくさんもらえたんだろ、と言われた(笑)

彼らの話では「身体に良くない」との理由で、二人ともワクチンは接種していないみたいだった。

マスクも「良くないよ」と言っていた。

この話題はどこでも賛否両論あるなぁ、と思いながら聞いていた。

その後、ちょっとオーストラリア夫妻との会話に疲れてきたなと思い始めた頃、彼らは去っていった。

話しかけてくれてすごく嬉しくて楽しかったけど、意思疎通がスムーズにできないことはやっぱりもどかしい。

そして、疲れてしまう。

でも、僕のつたない英語に付き合ってくれて本当に感謝。そう思った。

あと、ここで面白かった出来事。

トイレを待っていたら出てきた男性がなんか謝ってきた。

なんだろ、と思ったら、たぶん「大をしたからくさいよ」的なことを言っていたようだ。

トイレに入ったら臭かったから(笑)

お腹も膨れたし、ビールもさすがにもういいかなと思って、そろそろ店を出ようと思いはじめた。

ただ、店員さんに「よい時間を過ごせた、また必ず来る」ということだけ、どうしても伝えたかった。

この日はドレッドメガネの人はいないから、金髪坊主の人に言おうと思った。

この二人は、なんとなくフレンドリーに接してくれたと感じていたから。

でも、そんな時に限って、どこかに行っていたのか店内に見当たらなかった。

彼が戻ってくるのを、しばらく待っていた。

「このままじゃ帰れない。」

しばらくすると、金髪坊主の店員さんが戻ってきた。

でも、ビールを買うために並んでいる人の列が長い…忙しそうなのでタイミングを見計らう。

その時、何かの用事で外に出て行った。

「このタイミングだ!」

と思って席を立った。が、タイミングが合わず話しかけられず…

その後、また店内に戻ってきたので、何もしていなそうなタイミングを見計らって、

「楽しい時間が過ごせた、また来るよ」(と伝えたつもり笑)

と伝えた。

それに対して彼の返答が早すぎて、正直なんと言ったか分からなかったんだけど(笑)、

たぶん「良かった、Have a good day」と言ったのかな、と思った。

何を言ったのかよりも、彼が拳を出してきたので、それをぶつけ合った事の印象が強かった。

そして、それがとても嬉しかった。

少しだけでも打ち解けられた感じがしたから。

こういう感じを俺は望んでいるのかな、と思った。

なんというか、仲間意識のようなもの。

「バディ」と言われて嬉しく思ったことも、その感覚に繋がる気がした。

とてもよい気分で店を後にした。

明日はネルソンに発つので、最後に街中をぷらっと歩いてから宿に戻ろうと、少し歩いた。

パタゴニアのアイス食べようかなぁ、と思いながらも、まいっか、とこの時はスルーした。

歩いていると、昨日と同じ場所で同じピアノマンが演奏をはじめたところだった。

思わず足を止めて聞き入った。やっぱりとても美しくて、好きな旋律だ。

自然と彼の奏でる曲に聞き入るとともに、少し涙ぐんできた。

そして、視界にできるだけ情報を入れたくなくなった。

ノイズは無くして音だけに集中したくなったから。

でも、目を閉じて聴くことに対して周りの目を気にしてしまい、できなかった…フェスやライブならやれたけど。

その代わり目の前にある木の上の方、空と木との境目をずーっと見ながら聴いていた。

そもそも街中だから、歩いている人の声が入ってくるから、ノイズが無くなるわけじゃない。

だけど、できる限り音に集中しようとした。

視界に人がダイレクトに入ってこないだけでも、だいぶ違った。

どの曲も本当に美しいな、と思った。

最後まで聞いていようかと思ったけど、30分くらい聴いて、なんとなく満足できたから、宿に戻ることにした。

去る前に彼の元に行って、「美しい時間をありがとう」と伝えた(言ったつもり)。

彼は「聴いてくれてありがとう」と手を出してきたので、握手をしてからその場を去った。

この数時間の人とのやりとりが本当に心地よい感じで、もうアイスとか食べ物とかどうでもよくて、

まだ早い時間だったけどもう帰って寝よう、今日は満足したから、と思えた。

「今回の滞在期間中、もしかしたらクィーンズタウンに滞在するのは最後かもしれない。でも、とても良い数日を過ごせたな」

「明日は心置きなくネルソンに行けそうだ。」

28日目につづく(帰国まであと48日)

Hiroki a.k.a HIRO
  • Hiroki a.k.a HIRO
  • 40代 / 躁鬱人
    サラリーマン歴15年
    2年前に会社を辞め、京都へ移住。
    NZの旅の途中で語学留学を思い立ち、2023年から語学留学を開始。
    2024年から木彫(Wood Carving)をはじめて、その面白さに気づく。
    現在、京都とネルソンの二拠点生活を目指している。

    興味:Carving(木彫) / 日本の文化(Japanese Culture) / 日本語(Japanese Language) / 京都(Kyoto) / 左京区(Sakyo ku) / 江戸時代(Edo Period) / 旅行(Travel) / 歩くこと(Hiking) / 農のある暮らし/ 環境問題 / 書くこと(Writing) / 音楽(Music) / 漫画(Manga) / アート(Art) / クラフトビール(Craft Beer) / Buddhism / Shintoism

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