ノープランNZ旅行記 31日目 其の壱
31日目(2023/1/12)
昨夜は結局21時頃まで目が覚めていた。
この日歩くことが心配で不安で…
Marahauまでのバスの予約状況を寝るまでに何度か調べてみたけど、やっぱり今日のチケットはソールドアウトだった。
「何のために行くのか?」そんなことも考え始めていた。
「別に、誰のためでもなく、自分のためなんだから、嫌になったら戻ればいいじゃん、やめればいいじゃん。」
そう思うようにした。
そして、とりあえず行ってみないと道の様子も分からないし、やめる前に行くだけ行ってみよう、そう決めた。
そう思えたら、少し気持ちが楽になった。
そしてこの日の朝は4時頃だったかな、起きたのは。
まだ月が出ていて、カーテンを開けると月明かりが窓の外から入ってきた。
結構まだ暗かった。
「5時に出発するのはちょっと早いかなー。」
そんなことを思いながら、トイレに行った。
トイレでは、黒人の青年が歯を磨いていたので、小声で挨拶をした。
部屋に戻ってアプリコットを食べて、買っておいたジュースを飲んだ。
パプリカを食べるのはやめておいた。
トイレの大はしておきたい、と思っていた。
歩いている時の不安要素に繋がるから、自分の中でこれは結構大事な部分(笑)
グリーンストーンの時は緊張もあって、大が出ない日もあったんだけど、今朝は小をした時に出そうな傾向があった。
だから、焦らずに少し待ってみた。
しばらくしたら、もよおしてきたので無事にすませられた(笑)
5時過ぎには少しずつ外が明るくなってきたから、いけそうかなと思い、5時半頃に出発した。
鍵は部屋に置いておいたんだけど、出口にキーボックスがあった。
以前の自分なら戻ってキーボックスに入れ直していたかもしれないけれど、
わざわざ戻らなくてもいいよな、と思ってこの日はそのまま出発した。
道路に向かって駐車場を歩いていると、誰かが車で出発するところだった。
その脇を通り過ぎて歩いていたら、後ろからその車が来た。
それを避けた時に「Hey!」と声をかけられた。
見ると先ほどトイレで会った黒人の青年だった。
「どこまでいくの?」と聞かれたので「Abel Tasman国立公園」と言うと、
「俺はネルソンに行くんだ、そっちなら乗せられたけど、ごめん」と言ってくれた(と思う)。
「ありがとう!」とお礼を伝えて、青年の車とは反対方向へ歩き出した。
この旅では、何度も書くけど、こういう些細なやり取りによって何度も気持ちが暖かくなった。
朝5時半だったけど、思いの外車の通りが多くて「予想が外れたかなー」と思っていた。
ただ街の外に出る道に近づくと、車の数は減ってきて、実は街中だから混んでたのかも、と思った。
街を出てもしばらくは歩道があった。
というより、サイクリングロードだったと思う。
いずれにしても、安心して歩けた。
1週間ほど前に、プカキ湖から早朝スタートして、しばらくサイクリングロードを歩いていた時のことがふと頭に蘇った。
「状況が似てるな」と、ニヤニヤしながら、しばらく歩いていた。
人が歩けるか心配していた橋にも、ちゃんと歩道がついていた。ストリートビューの通りだった。
橋を渡り切ると、道端に花がたくさんたむけられてるのを見つけた。
そして、何か書いてある小さなボードのようなものも置いてあった。
ここで誰か事故に遭ったのかなと思った。
歩きじゃなくても車でも、どんなに安全なとこでも、死ぬ時は死ぬよな、と思いながら、改めて生きていることに感謝しつつ歩いた。
Riwakaというところに着く前、Mapの指示とは少しだけ違う道を行くことにした。
距離的には大して変わらなそうだけど、車が少なそうだったから。
行ってみると車は走っていなかった。人もいなかった。
途中、道端で車をいじっていたおじさんがいたので、挨拶を交わした。
この瞬間だけでも、とても心地良くなった。
「歩いてきて良かった」と思えた。
そして、今日のバスチケットだけソールドアウトしてたの、やっぱり歩かせるためだったんだなー、なんて改めて思った。
良い意味で、僕は単純な思考回路だと思う(笑)
其の弍へつづく