Nelson Hiking:Rocks Hut編 其の弍
Blowing Hutまでは歩くことが苦労するような道ではなく、それまでと同じように楽しんで歩けた。
案内看板にあった通り、1時間ほどでBlowing Hutへ着いた。
そこは泊まれる人数が8名の小さなHutだった。
当初の予定では、そこでランチを食べて、30分くらいゆっくり休憩をしようと思っていた。
が、そこにあった看板を見て、のんびりできないかも、と思い始めた。
Rocks Hutまでの時間が5時間となっていたから。
今回歩き始める前に、細かな距離などは調べて来なかった。
なぜなら、「楽しくハイキング」的なコースだと”思い込んで”いたから。
このTrackを歩くきっかけになったのは、ホストファザーの言葉。
「Rocks Hutでは一泊二日で行ける。Hutで読書するのもいい。」
こんなようなことを言った。
それを受け、僕は「なるほど、きっとふらっと行けるくらいの感じなんだな」と勝手に脳内解釈した。
だから、1日目は5時間くらい歩けばRocks Hutへ行けるものだと思い込んでいた。
Browing Hutに到着したのがお昼の12時を少し回った頃。
歩き始めたのが9時前だったので、3時間半くらいはすでに歩いていた。
なので、そこから5時間歩くということが想定外だった。
気持ちに焦りが出てきたので、30分ゆっくりとお昼休憩を取ることはやめ、ランチを食べてできるだけ早く出発する事にした。
とは言え、5時間かかっても暗くなる前には着けるから、急いで歩くのも嫌だったし、「少し落ち着こう」と焦る自分に言い聞かせた。
Hutには誰か人が休んでいるようだったので、そこで食事することは避け(密室で食事することはあまり好きじゃないから)、
人が5人くらいかろうじて入れるような、屋外にあった小さな小屋でランチを食べた。
持って来ていたランチを食べ、少しゆっくりした後、水を汲みにHutに向かった。
Hutへ入ると、女性が一人いた。
話をしてみると、彼女はドイツ出身で、Te Araroaを歩いているとのことだった。
そう、このBrowing HutからRocks Hutまでのコースは、Te Araroaのコースの一部だった。
実は、この日歩き始める前に、案内板でそのことを知って、若干興奮していた(笑)
だから会ったハイカーさんにはまず「Te Araroaを歩いているの?」と質問していた。
彼女は以前北島のコースを歩き終え、南島のコースをスタートしたばかりだと話してくれた。
さらに、彼女の仕事はリモートでできる仕事で、Te Araroaを歩き終えた後は、仕事をしながらNZを旅行するとのことだった。
それを聞いて僕はまた興奮し、思わず「僕もリモートでできる仕事をしたいと思っている」と伝えた。
そしてその会話の中、1年前にNZを旅行してHutに泊まった時より、英語を話せるようになっている自分に気づいた。
正確にいうと、よりコミュニケーションを取ることができるようになっている、臆さない自分、かな。
それに気づけたのにも嬉しく思えた。
あまり長居もできないと思い「Hut内で水を汲めるか」を彼女に確認してみた。
Hut内には水の入ったタンクがあったけれど、彼女はその水が微妙そうなことを言っていて、1分くらい歩いたところに水が組める場所があるとも言っていた。
だから、その言葉に従って、外に行ってみる事にした。
「Good Walk」と言ってその場を去り、外の水汲み場を探しに向かった。
でも、外にはそれらしき場所が見当たらなかった。というか、しっかり探さなかった。
それよりも、早く出発することに気を取られていた。
今思えば、もう少しちゃんと探すとか、彼女に場所を聞くとかすればよかった。
なぜなら、そこからのハイキングは楽ではなく、汗もたくさんかいたのに、水の量が少なかったから。
近くに川はあったけれど水のタップは見つけられず、「水は300mlくらいあるし、梨も持っているし、まぁ大丈夫だろう」と思い、 Rocks Hutへ向けて出発した。
其の参へつづく