Nelson Hiking:Rocks Hut編 其の肆
歩きながら色々と考え始めている事に気づいたので、しばらく歩く事に集中する事にした。
僕は考え事をながら歩いていると、つまづく頻度が非常に上がり、危険だから。
Browing Hutを出てから2時間後くらいだったか、13時半頃にTAを歩いているハイカーさん(二人目)と会った。
その時にRocks Hutから来たことが分かったので、進んでいる方向が正しいことだけは確認できた。
Hutからそこまで、どのくらい時間がかかったかを聞くのを忘れたけど、進んでいる方向が正しいことが分かっただけでも安心した。
このコース以外のコースは近くに無いし、△マークに従っていればRocks Hutに着くのは間違いないはずなのに、改めて自分の中の「心配性」の大きさを実感した。
そしてひたすら歩き続け、Rocks Hutへ到着した。
結局「Rocks Hut → 4hr 1/2」を見て以降、案内看板は無く、僕の中ではHutが突然現れた感じになった(笑)
「このケースだったかー!」
と思った。以前も同じように、全く案内板が無く、目的地に到着したことがあったから。
Rocks Hutに到着したのは16時半頃。Browing Hutから6時間ほど歩いた事になる。
途中、意識的にゆっくりと歩いたり、この日は腰が万全で無かったから休憩もマメに取ったので、想定時間よりも多少長い時間歩いたけれど、いいペースだった。
道を引き返した場所もあったし。
そこではちょっと面白いエピソードがある。
途中、「Waterpoint」という看板があり、「川の水位が低ければ川の道を進める、高ければ別の道を進む」と書かれていた。
ここ数日雨の日も無かったし、川の方へ行こうとそちらに進んだ。
ただ、進んでみると、道が崩れたような跡があり、「大丈夫かな、これ」と思った。
その時に、Fantailが近くに来て激しく鳴いた。
Waterpointへ着く30分くらい前に休憩した時も、近くにFantailがいたけど、激しく鳴いてはいなかった。
そんな状況もあって、「川の道に行くなってことかなぁ」とはじめは思った。
でもそのあと「最初からネガティブな考えから入るのよくない癖だ」と思い直し、
「激しく鳴いているのは『そのまま進め』の意味だな!」と気持ちを切り替え、川の道へ進む事にした。
そして、川の方に降りてみると、思っていたよりも大したことはなく、「やっぱりネガティブに考えすぎだなぁ」と当初は思っていた。
ただ先に進んでいくと、途中で方向を示す△マークが見つけられなくなった。
そのあたりは、大きく崖が崩れて木がなだれこんできていた。
結局そこから先に進むことを断念して、引き返す事にした。
「ネガティブかどうかというより、最初に感じた感覚に従う方が大切かもな」とその時に思った。
あと余談だけど、休憩時におそらくFantailがバックパックに落としていった糞を見て「運がついた!」と思ったり、
靴が浸らないように泥道の上を素早く歩いて「忍者なれたわー」と思ったり(声をかける直前まで自分の存在が気づかれず、ホストファザーに「Ninja」と言われたことがあったから)、
気持ちに多少の焦りはありつつも、楽しみながら歩けたとは思う。
話を戻して、Rocks Hutには二人のハイカーがすでにいた。
一人はカナダ人の青年で、もう一人はアメリカ人の女の子。
二人ともワーキングホリディビザで来ていたので、少なくとも30歳以下だろう。
そして、二人ともTAを歩いてはおらず、僕と同じく翌日にはNelsonへ向かうとのことだった。
カナダ人の英語は聞き取りやすい、と聞いていたのだけど、僕にとって彼の英語を理解することはとても難儀だった。
向こうも僕の英語を聞くのは難儀だったと思うけど(苦笑)
でも、彼からも話しかけてくれ、良い印象を持てた。
彼はエンジニアの仕事をしているとのことだった。
カナダにも自然はあるけれど「フラット」だと言っていた。日本に近い状況なのかも、と思った。少なくとも、彼が住む近くは。
あと、「NZは安全、カナダは熊が出る」「NZはたくさんの自然が残っている」とも言っていた。
一方のアメリカ人の女の子も、「NZで働くならFarmerがいい、Hikingもしたい」と話していた。
これまで出会ってきた人達もそうだったけど、NZに来る目的のほとんどは「豊かな自然に触れたい」なんだな、と改めて思った。
また、二人とも近く開催されるMusic Festivalに行くようだった。
青年はTakakaで、女の子はクライストチャーチでそれぞれ開催されるFesに。
年末年始にTakakaで開催されたFesに興味はあったものの、行く手段がヒッチハイクしかなかったので、諦めた。
音楽は好きだから、NZのFesも興味があるから行ってみたいものの、「なんとしてでも行く!」というモチベーションがまだ湧かない。
食事を終え、夕暮れ時になってから、近くのLook Pointへ行った。Hutから歩いて10分ほどの場所。
Hutに到着してからすぐにそこへ行ってみた時、見晴らしがとても良かったので、「夕暮れと朝日が見れたらいいな」と思ったから。
予想通り、夕暮れはとても綺麗だった。
一人で夕暮れを眺め、そして瞑想をした。
少し強い風を肌で感じつつ鳥の声を聞いていた。
其の伍へつづく