ノープランNZ旅行記 34日目 其の弍
マーケットを後にして、自然保護地区のRaumanukaという場所へ向かった。
近くに何か面白そうな場所はないか、Google Mapで探して見つけたのがそこだった。
メイン通りから海岸の方へ向かう途中、住宅街の中を歩いて行った。
マーケットやお店の立ち並ぶメイン通りとは違い、人がほぼおらず閑静な雰囲気だった。
それがとても良かった。静かで。
しばらく歩くと視界が開けてきた。
途中、手元を見ながら庭仕事してるおっちゃんがいるなーと思いつつ通り過ぎようとしたら、
「モーニング!」と突然言われてビックリしたけど、それに応えて挨拶を返した。
自分の仕事に集中していると思っていたから、予期していなかった。
こちらの挨拶率はホント高い(特に南島はそう感じた)。
そして挨拶をすることは、たとえ知らない人であっても、とても気持ちいい。
東京や埼玉に住んでいたときは、こういうことはほぼできなかった。
知っている人には挨拶はしても、知らない人に挨拶をすることはなかった。
京都に住んでいた時に、かろうじてちょっとそれができたけど、毎回はできなかった。
「無視されたら嫌だな、変な奴だと思われたら嫌だな」という気持ちが強かったとは思うけど。
だから、こういう雰囲気っていいな、と改めて感じた。
マーケットを出発してから30分ほど歩いて、目的地のRaumanukaに着いた。
ここは自然保護区域で、Google Mapで調べた時にわかっていた。
だから、どれくらい自然が残されているのか、という興味がとてもあった。
そこは潮が引いた後の海、だと思った。
地面が湿っていて、流木がいくつか点在していたから。
とても綺麗な風景だった。
人もほぼいなかった。
海より山が好きで、海はパーティー感があってあまり好きじゃない。それまではそう思っていた。
集まる人がそういう感じだからかも。リゾート感もあるし。
でも、この海はとても心地がいい、好きな場所だと思えた。
しばらくこの場所を歩いていた。
小高い土手のようなものがあって、たぶんその先に海があるんだろうな、と思った。
その土手を越えるため、そちらに向かって歩き続けた。
その途中に小さな川があった。
濡れずに渡れるところを探したけど、結局見つけられなくて水の中に入って渡った。
土手を越えると海が広がっていた。
といってもそのすぐ先には、まだ潮が引いたあとの海底が続いていた。その先に海が見えた。
めちゃくちゃ綺麗だった。人も皆無。
何度も言うけど海でここまで心地良いのは、それまでの人生の中で初めてだったかも。
去年、沼津に行った時に立ち寄った海が少し近い感じかもしれない、人が少ないのは。と思った。
さらにしばらくゆっくり歩いた。
そして、海に近づいてきた。
小さな波が押し寄せているところまで来て、足だけ海に入った。水は温かく感じた。
しばらくその辺りを歩き回ったあと、海岸の方、街の方向に戻り始めた。
その途中、とても素敵な場所だったからここの石を拾って行こうと思い、パッと目についた石を二つ拾った。
どちらも小さく軽いから、荷物にはならないだろうと思ったから。
1時間近くこの場にいただろうか。
とても名残惜しかったけど移動することにした。この時点でこの日はすでに満足な気分になれた。
Raumanukaを後にしてから、昨日音楽演奏してたホテルMotueka に行ってみた。
今日も演奏してたらそこで飯を食おうと思っていた。音楽が聴きたいなと思ったから。
でも到着した時には人気が全くなかった。
でもBarは開いているようだったから、入ってみると、70~80年代を彷彿とさせる内装のBarだった。
ただ、店員さんや先客の雰囲気が、「なんか違うかも」と思い、すぐに出た。
そして「これは、昨日宿取らなくて良かったんじゃないか」、と言う結論を自分の中で出した。
そのあと歩いていると、カートに乗ったおじいちゃんとまた会った(昨日もすれ違っていた)。
「ハローエブリバディ!」と陽気に今日も挨拶してきた。
僕の前に女性(たぶん知り合いの)がいたので、エブリバディだったんだろう。
それを見ているだけで、楽しい気分になった。
(今思うと、知り合いじゃなかったかもしれない。こちらの人が話しかけるのは、知人かどうかというのはあまり関係ないと思うからw)
さらに進むと、道脇にある巨大な木が目につき、すごいと思って眺めていた。
すると、少し前に追い越した女性が後ろから話しかけてきて「これはオーストラリアから来た木だ」と教えてくれた。
これだけでかい木はなかなかない、と思ってマジマジと眺めてしまった。
其の参へつづく