“Netsuke(根付)”と京都とNew Zealand
NZに来て1年が過ぎて、慣れない海外生活を自分でもよくやっていると思うし、周りからも「よくやっているね」と言われることもある。
ただ、しょっちゅう日本に帰りたいと思う時があるし、京都に戻りたい気持ちは変わらない。
だから、ネルソンと京都との二拠点生活ができたらとても嬉しい。
今月からWood Carving(木彫)のコースをCenter for Fine Woodworkingという小さな工房で取り始めた。
とてつもなく楽しく、時間を忘れて熱中できる。
そして、疲れを感じない。
これまでの中で、Wood Carvingが一番「やりたいこと」に近いと思う。
だから、毎日少なくとも10分、そして最低でも3年間は続けてみたい、と今は思っている。
そこで出会ったHape Kiddleという先生は、僕の中ではとても最高の先生だ。
彼はとてもユーモアがあって時には子供のようで、そして最高の技術を持っている。
僕はそう感じる。
彼の言葉を100%理解はできないけれど、できる限り彼の技術と伝えたいことを習得する努力をしている。
Hapeの教えはとても響くものが多い。
Carvingをする時に、感じることの大切さを僕らに教えてくれている。
だから、時間が許す限り彼から出来るだけ多くを学びたい、とも強く願っている。
なんなら、弟子入りしたいくらいだ(笑)
Hape先生のHP:https://www.hapekiddle.com 作品が素晴らしい
そこで出会ったのが、「根付」という日本の伝統工芸品。
それまで聞いたこともなかった「根付」はとても繊細な小さい木工細工、とでも言ったらいいか。
元々、大衆文化として育っていったモノらしい。
根付は、印籠(いんろう)・煙草(たばこ)入れ・巾着(きんちゃく)などの提物を携行する際の留具として、町人文化が花開いた元禄期頃(1688~1704)に発展し、庶民の間へも広がりました。以後、根付は狩野派の絵師から、様々な細工職人らの手によって意匠と技術が凝らされて、我が国固有の小芸術品に発展しました。現代においても、新しい趣向を加え、独創的な根付が次々に発表されています。(引用:京都 清宗根付館 ウェブサイトhttps://www.netsukekan.jp/knowing/)
海外に来て日本についての良さを分かり始めた一方で、これまで知らなかった日本の伝統工芸も知るとは、面白いものだなと思う。
ここ半年の自分の気持ちや状況を鑑みると、今の自分の中では、Wood Carving、特にこの「根付」に自分のエネルギーを注力したい、という気持ちが強い。
正直なところ、以前も書いたように、今後どうなるかは分からない。
年齢のことを考えると、これを生業にするのは実現的では無いかもしれない。
ただ、今はそのことを意識せずに、ただ目の前にあることを継続してやっていこうと思う。
これが、どう人生で展開して行くかは分からないし、それはそれで面白いと思うから。
会社を辞めて二年半が経って、「こうやって、目の前に起きることを一つ一つ選択して行くことで、本来人生は歩んでいくものなのかもしれない」と少しづつ思い始めている。
冒頭で「京都に帰りたい」ということを書いたけれど、京都にある根付館をインターネットで調べていた時も、そう感じた。
Mapで京都市内を見ていたら、懐かしい場所がたくさんあって、思わず泣きそうになってしまった。
1〜2年のうちには京都に帰れることを期待しつつ、その時を楽しみに今は目の前のことにただ集中していこうと思う。