ここ最近思う日本のこと
最近、日本の文化や伝統、特に言葉を大切にしていきたい、という思いが強くなってきている。
会社を辞めた後に文章を書く練習を少しした時に、「日本語は奥が深いな」と思い始めてはいた。
NZに来て日本以外の国の文化の中で生活し、さらにはさまざまな国の人たちと接していく中で、
「日本人に生まれてきてよかったな」とこれまでの人生では思わなかった気持ちが芽生えてきた。
もちろん、他の国の文化を否定することではなくて。
今の日本の社会は正直なところ僕にとっては生きづらい。だから僕自身も海外で生活することを考え、NZに語学留学をしにきた。
日本の政治にも社会にも今は不満があるし、どうなっていくのかという不安もある。
ただ一方で、海外での生活を通じて、日本人だから感じられる繊細さや、細やかさのようなものを持っていることに感謝というか喜びを感じられるようになってきている。
さらには日本語が持つそれらの感覚や美しさ、日本語だけにしかない表現があることも、英語の勉強を通じてわかってきた。
そしてもちろん、日本人の持つ技術が素晴らしいのはいうまでもなく、自動車や家電以前の昔ながらの伝統工芸の素晴らしさが、誇らしいと思える。
今の日本はアメリカを筆頭に、さまざまな文化が溢れている。
簡単に海外の文化に触れることができ、自身の視野も広げられるし、とても良いことだと思う。
一方で、肝心な日本の文化や日本人としての良さ、みたいなものが、なんとなくなおざりにされているような気が個人的にはしている。
そして、日本人の持つ良さが、今は悪い方向に作用しているようにも思える。
だから、精神を病む人も多いし、情報がとてつもなく溢れているのでは、と個人的には思う。
それがとても悲しいと感じるようになってきた。
最近「ものぐさ精神分析」という本を読んだ。
この本の中で、日本は”精神分裂病”だという考察がされていた。
黒船が来て強制的に開国して以来、日本はずっとこの状態だという。
面白い考え方だなと思ったのと、「そうなのかもしれない」ともなんとなく思う。
そして、日本人は日本人としてもっと誇りを持って良いと僕は思う。
サッカーの元日本代表の中田英寿さんは、現在日本酒を広く知ってもらうための活動をされている。
彼は、長い海外生活の中で自分が日本についてほとんど何も知らないことに気づき、引退後に日本各地を旅して、
そして、最終的に日本酒に辿り着いたとのこと。
その気持ちが今は分かる。
なぜなら、僕も日本のことがほとんど分かっていない。
他の国の人に日本のことや言葉について説明しようとしても、きちんと説明できない。
そのことがとてももどかしい。
だから、もっと日本の文化、特に今は言葉について学び、それを何らかの形で発信していけたらいいな、とぼんやりと思い始めている。
最近見た映画「Perfect Days」の中でも、”木漏れ日”という言葉が英語で説明されていた。
”木漏れ日”という表現は英語には無いから。
また、「ぐつぐつ」「しとしと」などの擬音語は、日本語が一番実際の音に近い、という話も聞いた。
そういうことも含め、日本語は奥が深く、そしてとてもユニークな存在だと思う。
今一番やりたい、面白い、と思うことはCarving(直訳すると彫刻、いわゆる木工細工)なので、
少なくとも6月はそれに集中して取り組むつもりだし、それ以降も継続して続けたいことだ。
その一方で、今回のブログに書いたことに関して、本を読むなどして知見を増やしていき、発信できたらなと思っている。