ノープランNZ旅行記 15日目 其の参
テントを張り終え落ち着いたので、少し早めの晩飯を食べようとした時、
「もしかしてこの山小屋はガスコンロがない?!」ということに気づいた。
Routeburnで山小屋に泊まった時にはガスコンロがあった。だから、ここでもあると思っていた。
しかし、予想に反してガスコンロは無かった。
もちろんガスは持ってきていたので、それを使ったのだけれど、ガスコンロがあることを想定しての110と最小の缶を購入していた。
他の人達はより大きなサイズのガス缶を持ってきていた。
どれだけの時間火を使えるのか、初めてだから全く分からず。。。
「あと2日の晩飯食べれるように、朝のコーヒーやお茶は我慢しよう。」と決めた。
この時は、今でもまだそうだけれど、人に頼る、という選択肢は無かった。
そして、「あと二日はテントでなく普通に小屋で寝よう」とも思った。
なぜなら、虫が…蚊のように刺されると痒くなる虫がめっちゃいたから。
こいつらはSandflyと言って、NZではある意味有名な虫。
痒み止めはおろか、虫除けすら持ってこなかったから、かなり致命的かも。と思った。
「とりあえず今夜の様子を見てかな。」
「外にいたいけど虫がいるし、小屋の中はそれなりに人がいて落ち着かないし、テントは暑いし…寝たい」
と思っていた17時過ぎ。
日没まであと4時間か。長いな。。。
Sandflyが足に止まるのを避けようと、飛び跳ねるような動きをしていたら(文字で表現するのが難しい)、
「それはJapanese dance?」と冗談混じりに他のハイカーの方に言われた。
なんて答えたか忘れたけど、ヘラヘラしてたと思う(笑)
前日、Queenstownで湖に入ったからか、少し風邪気味というか、鼻水が出た。
薬は多少持ってきていたけれど、なぜか風邪薬だけ持ってこなくて、薬を飲む術がない…
「鼻水で鎮痛剤はなー。カロナール持ってくれば良かった。」
「とりあえずよく寝て、自然治癒するのに期待かな。」と思った。
あと、山小屋に人が多くて、それを不快に感じた(苦笑)
Routeburnの時よりは全然少なかったんだけど、なんつーか密?
「テントは今日だけにするつもりでいたけど、あと二晩もテントが良い、と思うかも。」
今日寝てみて考えてみよう、と思った。
人の多さをとるか。静けさを取るか。虫とのバトルに耐えるか(笑)
18時半、太陽が陰ってきてから大分涼しくなった。
涼しくなったから長袖、長ズボンに着替えたら、Sandflyはだいぶ防げた。
持っていた小型ミラーレス一眼レフで写真を撮っていたら、近くにいたハイカーに、
「(めっちゃ遠くにいる)鹿、あなたのカメラで撮れる?」と聞かれて、
使うことのないと思われた望遠レンズを初めて使った。
結果は全然見えなかった(笑笑)
めちゃくちゃ些細な出来事だけと、なんかほっこりした。
山小屋にいた時、なんとなく、一人だけ言葉が通じないことに対する疎外感みたいなものを、自然と感じていた気がする。
周りはそんなこと思っていないはずなのに。全くもって。
「被害妄想?ネガティヴ思考やな。」
「とは言え、言葉が通じたとして話すのか?日本人なら話すのか?」
「答えはきっとNOだな(笑)」
「じゃあなんで?疎外感を感じるのか?」
自分と周りとの違いを探して見つけて、それに対して自分と周りを区別することをしている。
そうしようとしているのかもしれない。
そんな気がした。
であれば、自分から孤立しようとしているのかもしれない。
なぜそうしようとするのか?分からない。。。
そんなことを考えていた。
鼻の調子の悪さを風邪か思っていたけれど、花粉の可能性あり!と思い始めた。
というのも、山小屋にいる女の子も一人めっちゃ鼻をかんでいたから(笑)
そして、初テントでの、否、初の”自分一人”でのテント泊の睡眠体制に入った。
今のところ心地よさそう。蚊帳にめっちゃ虫ついてるけど、中にはまだSandflyはいないから快適だった。
山小屋の中にいる人達まだ起きていているから、彼らが寝てから寝よう。と思った。
声が聞こえてきて寝れない、と思ったから。
最悪、寝れなかったら耳栓しよう、と思った。
小屋から出来るだけ遠くにテントを立てる、というのは次回からの活かしだ。
つーか鼻炎症状、完全に花粉の影響のような気がしてきた。
目も痒い…ルートバンの時も少し鼻垂れたのは花粉だったのだろうか…真相は闇の中、まだ(笑)
結局感冒症状でなかなか寝つけなくて、そのうちあたりは暗くなった。
「星はどのくらい見えるのだろう」と思って少しだけ外を見たら、めっちゃ星が綺麗だった。
明るさが日本でのそれとは全然違った。
数十秒だったけど、その綺麗さは脳裏に焼き付けておこう。と思った。
16日目につづく(帰国まであと63日くらい)